スキマスイッチはKing of 二人組といっていい、本当のミュージックアーティストです。その幅広い音楽性は多くの世代から支持を受けています。二人で作った作品は届けられる音すべてに様々な配慮とアイディアが詰め込まれていて、聴く人を魅了し続けています。音に非常にセンシティブなお二人に、音にこだわるゼンハイザーのヘッドホンはどのように感じられたのだろうか?お話頂いた。

―自身の中で思い出に残る曲を教えてください

大橋
僕はやっぱり、音楽を始めるきっかけになったのは、多分The Beatlesですね。The Beatlesは父親のレコードを聴いたのが最初なんですけど、すごく衝撃的で。それまではクラシックのピアノをやったりはしてたんですけど、いわゆるバンド、ポップス、ロックというものに一番最初に触れたのはThe Beatlesじゃないかと思います。中学校の時にファンクラブにも入って。当時The Beatlesを好きな同級生はあまりいなかったんですけど、やっぱり父親の世代だったりとか・・・数少ないThe Beatles好きの友達と一緒に、家でコーラスワークを一緒にやってみたりとか、たぶんあの時に何か僕の中で人生が変わったのかなと思います。

常田
中学校の時の友達から借りた槇原敬之さんの3枚のアルバムです。それまでは音楽好きの姉からちょっと借りて聴くレベルでしか音楽というものを聴いていなくて。CDについているジャケットの中の歌詞カード、クレジットとかを何の気なしに読んでみて、「あれ?」って思ったのは槇原さん。槇原さんは全部一人でやられている、作詞、作曲、あとその時はよくわからなかった編曲というものもやっていて。他のCDを姉から借りてみてみたら、全部別の人が分業でやっていたりとかして。一人でできる方がいらっしゃるんだ、とすごく衝撃を受けました。高校に入ったときにピアノを弾く友達ができたので、その人に聞いてみたら、「編曲って伴奏を作って、何ならイントロも全部作って、ていう人だよ」って。槇原さんの話をしたら彼もびっくりして、「マジで?普通は編曲家みたいな人に頼むんだけどね」ってなって、そういうシンガーソングライターでもあり編曲もしてしまうアレンジャーでもあるっていう人がいるんだってことにびっくりして・・・それって自分で出来ないかなって思い始めたのが、音楽を作るということに対して興味がわいた瞬間でした。中3の終わりごろですかね。

―ミュージシャンをやっていて最も嬉しかった時、感動した瞬間は?

大橋
自分がステージで歌っている、それに合わせてお客さんも歌詞を口ずさんでくれているところを見た時に、自分達の音楽がちゃんと届いてしかも歌詞を覚えてくれているんだって感動しましたね。今、コロナになってからは口元が見えないんですけど。でも、マスクが動いてるんですよね。たぶんマスク越しに皆声を出さずとも歌ってくれていて。自分たちが書いた歌詞やメロディーを覚えて、一緒に歌ってくれているって光景は、何回見ても感動しますね。
 
常田
今まで周年でいろいろイベントだったり企画ライブだったり結構大きなことをやらせてもらってきているんですけど、その中でも15周年の時に横浜アリーナで2日間にわたって『Reversible』というタイトルでライブをやらせてもらったんですけども。『リアライズ』という曲がありまして、前に出した『新空間アルゴリズム』というアルバムの曲の中でクライマックスに作った曲で。作っている時のイメージとして、大きな会場でお客さんが歌ってくれたらいいねみたいな話をしながら作った曲でもあって、後奏でそういうシンガロングみたいな部分も入っているんですけど。それを実際横浜アリーナで演奏した時に、お客さんが歌って下さって。一万人以上いる観客の声を、見に行ったライブで経験したことはあったんですけど、自分たちが演ったライブでは初めてで。さらにそのライブはスマホでの撮影をOKにしたんですけど、それもあってか、スマホのライトを皆さん点けてペンライトのように振っていただいて。それもあってものすごい光景で、今でもその絵は思い出しますし、すごく打ち震えましたね。

―ミュージシャンとして一番辛かった、大変だった、苦しかったこと

大橋
僕は何度かライブを中止・延期にしてしまったことがありまして、それは本当につらかったですね。色んなことに気を付けてケアしたりしていても、喉っていうのは起きてみないとその日声が出るかも分からないっていう、それはずっと付きまとっている恐怖感ではあるんですけど・・・ 本当に悔しさと、皆さんを裏切ってしまったっていう、あれは本当につらいですね。それはもう活動してきた中でも、何よりもつらい苦しい経験でした。

常田
デビューして3年目位まではリリースしてプロモーションで全国回って、2枚目くらいからツアーも入ってくるんですけど。それを1年スパンでやっていくっていうのは本当に身体的なところが特にきつくなってきて。でもスキマスイッチという名前がどんどん広まっていく感覚もありましたし、仕事量がすごくたくさん増えていく中で、どうしても断れなくなるというか、「今きついです」って言っちゃいけないんじゃないかっていう空気が出てきて。それが仕事というもんだと思うんですけど。最初の頃は乗っていく感じもあって良いんですけど、3年目になってくると、もう追い付かなくなってきて分担作業でやるようになっていて。そこで二人の会話もあんまりしなくなってきて、そこも含めて3-4年目は辛かったですね。でも充実感もあるので、両方ともの気持ちがないまぜになった感じでした。

―ゼンハイザーのワイヤレスヘッドホンのフラッグシップであるMOMENTUM 4 Wirelessの音質はいかがでしたでしょうか

大橋
最高級ですよね。高音質っていうのももちろんありますけれども、再現度が高いなというのがすごく印象的ですね。自分たちの楽曲でも、試して聴いたりしましたけど「そうそう、この音を届けたかったんだ」、それをちゃんと再現してくれているという感覚なのですごくよくできているなと思いましたね。

常田
まず最初にバランスのすごさっていうのは、ゼンハイザーの音だなって感じました。有線でHD650 を使っているんですけど、そこと同じ流れをくむ感じで素直に全部の音がきれいに聴こえると感じましたし、他の密閉型ヘッドホンと比べてすごいのは定位の分かりやすさです。ステレオの中のどういう音がどの場所で鳴っているかっていうのが定位なんですけども、左右のバランスの開きっていうんですかね、180度のイメージで僕らは作るんですけども、実際聴こえているのはもっと狭く聞こえるのが普通なんです。それが真横の音までちゃんと再現されていて、定位の分かりやすさは、「おぉ!」て声を出してしまうくらいびっくりしましたね、すごい聴きやすかったです。

―MOMENTUM 4 Wirelessで楽曲に込めたこだわりや想い、特に気に入っている部分などはどんなふうに再現されていますか?

大橋
スタジオで録音してその音をミックスして、最後にマスタリング、たくさんの工程を積み重ねて楽曲ができあがるんですけど。
その時に録った例えばギターの音色、ベースのふくよかさ、タイトさ。ピアノもそうです。音のレンジの幅など、自分たちがイメージして作りこんだ音をそのままちゃんとこのヘッドホンは届けてくれているので、僕たちがスタジオで聴いてこれで完成だといったときのものをちゃんと届けてくれている。聴くものによって若干変わってくるものが多いので、僕らもそれを想像しては作るんですけども。それをしなくても僕らがスタジオで「よっしゃ、完成した」って言ったあの時の音がちゃんとここに再現されている、そういう印象ですね。

常田
作っている時の定位っていうのは、かなりこだわっている方だとは思っているんですけど、それは再生できる機器があればこそなので。アコギがここにいて、歌の雰囲気がちゃんと真ん中で、全員の音が被らないで置いて、と考えて楽曲を作っていてそこをちゃんと数値化して1,2,3,4っていう風に細かく分かれているかのようにきれいに聴こえるっていうのが本当に、今後もそこにこだわっていっていいんだなっていう風になりますし。特に横に置く音の聴きやすさっていうんですかね、サイドに置いた時に行き過ぎてない、ちゃんと意図した位置から聞こえるっていうのは、目の前に演奏家が居るかのようになるので。音数が多い曲をアレンジしてもその部分をちゃんと邪魔しないで、全部の音が聴こえつつ歌を聴いてもらえるっていう良さが再現できると僕らも助かるんで、そこは嬉しかったですね。

―このヘッドホンで聴いてみてほしいご自身の楽曲を教えてください。

大橋
バラードなんかは繊細にちゃんとこういう声色にしたいというイメージを持って、音を作りこんで作品を作るので、バラードもすごくいいなと思ったんですけど、けっこうダンサブルなナンバーとか音数が多い物でもちゃんと再現してくれるので、僕らの新曲『up!!!!!!』なんかは、ビートや低音がかなり気持ちよく聴けたので、皆にもその感覚を味わってもらいたいなっていうのはありますね。

常田
バランスの良さという意味では、アコースティックなものにはすごく向いているなと思いますし、定位の良さと音数が多いという感覚を考えれば、僕らの曲だと『アカツキの詩』という曲がありまして、実際自分でも聴いてみたんですけど。アコギがちょっと右に置いてあって、歌の位置を空けているとかも、本当にちゃんと分かるんで、そこは嬉しかったですね。音数多めの曲の中でも『アカツキの詩』はアコースティック楽器に関しては一番多いと思うので、是非一度聴いてみてほしいですね。

―MOMENTUM 4 Wirelessのデザインはいかがでしょうか。

大橋
デザイン、スタイリッシュですよね。本当にどんな洋服にも合うし、それこそ通勤の時のスーツでもいいと思いますし、音にこだわっているというのはもちろんですけど、今回のこのヘッドホンはかなりデザインも洗練されていると思いましたね。

常田
ゼンハイザーのイメージの武骨な感じからスタイリッシュな方向性だったので、「オー!」と思いましたね。使いやすさなどを含めて、デザインが考えられているなと感じましたね。スタイリッシュなデザインと使いやすさを上手に調和させているのが分かったので、今後ゼンハイザーがスタイリッシュな方にどんどん行くのかどうかも注目ではあります。

―MOMENTUM 4 Wirelessの装着感はいかがでしょうか。

大橋
かなりいいですね。僕一番好きだったのはこのイヤーパッドです。本当に着けてて楽ですし、ずっと着けていられるという感覚です。ヘッドホンはイヤホンに比べてずっと着けていると重さを感じて疲れてしまう印象があるんですけど、これはすごくフィット感がいいので、そのままずっと着けていられる。よく考えられているなと思います。僕、けっこう帽子被るんですけど帽子の上から着けていてもすごくフィットするし、もちろんそのまま直に頭に装着しても、ものすごくいいです。

常田
まず持って軽いっていうのが、特にワイヤレスは大事。しかもずっと付けていられるという部分でも、大事ですし。蒸れない、頭の部分が痛くならないなど。本当によく計算されている部分が多いなっていう、この湾曲した部分ですね、すごく感じました。装着するときにLとRちゃんと分かるようになっているっていうのが、装着感以外の部分かもしれないですけど、装着においてすごく大事だなと思って、こんな方法があったんだと、目から鱗でした。とても使いやすいです。

―MOMENTUM 4 Wirelessには周りの騒音を遮断する(アダプティブ)ノイズキャンセリングが搭載されています。いかがでしたでしょうか。

大橋
耳がツーンとする感じはほぼなくて、でもしっかりキャンセルされていて、これはかなり良くできているなと思いましたね。外部のシチュエーションに応じてヘッドホンがノイズを感知してくれてキャンセル量を調整してくれるという話を(ゼンハイザーから)聞きました。それも音が変わっているように聴こえたわけじゃないんですけど、そういう仕組みが入っていたんだなと後から聞いてすごい納得したというか。

常田
キャンセルしすぎないところにこだわっていると聞いたので、音楽を聴かせるためのノイズキャンセルという感覚はすごく受けました。もちろん全部切った時に、普通の音は聴こえているのに、ヘッドホンをしてないような感じになるって、すごく不思議な経験ですし、ワイヤレスの特技ですね。(密閉型なのに)オープンエアーのヘッドホンをしているのに近いですね。

―MOMENTUM 4 Wirelessには周囲(外)の音を取り込む外音取り込み機能という機能があります。外の音はしっかりと聞こえますでしょうか。

大橋
これ便利ですよね、ずっと付けていられるということですものね。そのシチュエーションに応じて付けたまま外音が聞こえるようにすれば、そのまま生活できるっていう。しかも本当に簡単な操作方法でそれが出来るので本当に素晴らしいなと思いましたね。

常田
タップとともに指の動作でもすぐできますし、そこはユーザーに対しての寄り添う感じというんですかね。外さずに話せるし、外した時はちゃんと再生ストップしますし、そういう所も考えられていて、取り込みながら会話もできれば、リスニングに影響ないようにしているのはさすがだなと思いました。

―MOMENTUM 4 Wirelessの操作性はいかがでしょうか。

大橋
操作性すごくシンプルで、片方(右のイヤーカップ)だけで出来るっていうのは、すごいですよね。例えば左も同時に押すとか、いろんなやり方があると思うんですけど、片手で出来るというのが本当によく開発されているなと思いました。誰でもすぐに覚えられる操作方法なので、すごい便利だと思いましたね。

―MOMENTUM 4 Wirelessは60時間のバッテリーライフです。
普段の使用でバッテリーが長くていいと思ったところを教えてください。

大橋
ノイズキャンセルした状態で60時間持続するって、例えば3泊4日の旅行だったら充電フルにして行けば、旅先で充電しなくていいわけですもんね。それはかなり便利ですよね。出張にいくとかそういう時も便利でしょうし。こまめに充電しなきゃいけないとなると荷物も増えますし、充電器持って行かないといけないので、それが必要ないとなれば、もうこれ一個持っていけばいつでも音楽を楽しめる。それはかなり便利ですよね。

常田
外音取り込み機能があるし、イヤーパッドの装着感もいいんで、特に移動中なんかはヘッドホンを付けっぱなしで移動することになると思うんですけど。それでも全然減っていかないというのは、ラクチン極まりないですね。実際、自分で1時間くらい付けていたんですけどそれでも100%だったんですよ、外した時に。「あれ、使ってないかな?」というくらいだったので、大丈夫かなって最初思ったんです。その1時間後には90%台に減っていたので、ホントだったんだという、身をもって感じましたね。

―MOMENTUM 4 Wirelessはどんな人におすすめでしょうか。

大橋
幅広い人に使ってもらいたいですね。自分達の作った音楽を聴いてもらうのももちろんそうですけど、高音質、再現度が高い、要は「いい環境」で音楽を楽しんでもらうというのは、僕らとしては非常にお勧めしたいポイントではあるので。音にこだわっている人はもちろんですけど、通勤時間など、その時間しか音楽を聴かないという方にも、その瞬間だけでもこのヘッドホンで、音楽の世界に浸ってもらって。ノイズキャンセルすればその世界に入ったかのような、没頭できる瞬間があると思うので、幅広い人達に使ってもらえたらいいなと思いますね。

常田
色んなジャンルが混ぜ合わさっているので、洋楽に比べるとJ-POPは比較的音数が多いと言われているようです。そういう意味ではJ-POPは先ほど話した『定位』もそうですけど、どこで誰がどういう音を出しているっていうのがこのヘッドホンで聴くことで分かるので、より聴きやすくなるかと思いますね。

―最後に、音楽を通してかなえたい夢や目標を教えてください。

大橋
曲は作り続けていきたいし、やりたいこともたくさんありますが、自分たちの年齢や状況、その時その時をしっかり等身大でパッケージしていくことがやっぱり一番続けて行きたいことなので、こういう再現度の高いヘッドホンでリスナーさんが聴いてくれたらいちばん嬉しいです。曲を作るということ自体が、その時の自分達をパッケージしているっていう感覚があるので、それをずっと積み重ねていって、いつまで音楽活動ができるのかは分からないですけど、その時の自分を、聴くことによって思い返せるというか、曲を作ることで自分達の歴史を刻んでいけたらいいなって常々思いますね。

常田
スキマスイッチが関わっていく制作もライブもそうですけど、年齢を重ねていくと頑固になったり、丸くなったり、色々あると思います。でも、全てにおいて、「まあいいや」ってならないようにしたいです。なんとなくプライベートで日常生活を過ごしていると、「まあまあいいです、大丈夫です」ってなってくるんですけど、こと仕事においてはそうならないようにずっと続けて行きたいですね。向き合って、自分の納得のいかないところはしっかり伝えて、二人ともがいいねっていう音を続けていきたいな。今までもそうだったんですけど、そこはよりこだわっていきたいなと思います。