シンガポールの統合的ハブに位置する「スター・パフォーミングアーツ・センター(The Star Performing Arts Centre)」は、5,000人収容の最先端の専用劇場、770人収容の多目的イベントホール、144人収容のラグジュアリーな屋上ホールで構成される一大イベント施設です。同センターは先頃、最高のイベントスペースとしてのポジションを改めて確立するために、音響設備を一新することになりました。
使用できる周波数帯域が狭くなっていることを踏まえ、スター・パフォーミングアーツ・センター(PAC)は新たな主力ワイヤレスオーディオソリューションとして、ゼンハイザーDigital 6000シリーズとSK 6212ボディパックの導入を決定しました。
ゼンハイザーとその包括的な製品ポートフォリオは、シンガポール全土で高い知名度を誇っています。プロオーディオソリューション担当シニアコンサルタントのファズ・サレー(Faz Salleh)率いるオーディオエンジニア陣と、シニアRFエンジニアのケナン・パン(Kenan Phang)が参加するゼンハイザーチームも承知しているように、国内のワイヤレスマイクを使う現場ではかねて、周波数帯域の縮小に起因する干渉が大きな問題になっていました。こうしたことからスターPACのテクニカルチームでは、ゼンハイザーDigital 6000システムを導入することで設備環境を未来に備えたものに一新し、技術的な不備が生じた際にも適切に対処したいと考えました。
スターPACは比肩するもののない収容人数と最先端のステージテクノロジーを特長としており、一流のポップコンサートやミュージカル、ダンスパフォーマンス、ポップオーケストラ、合唱、大規模会議といったイベントにカスタムメイドの舞台環境を提供しています。贅を凝らしたグランドステージと親密感漂う小ホールを有し、そこに音響と映像と照明の最先端技術を融合させることで、舞台を最も見やすい場内レイアウトと、オーディエンスが作品を存分に楽しめる最高のサウンド空間を生み出しています。包み込まれるような感覚を生む馬蹄型のデザインのホールは、独自の座席配置により最後列でもステージとの距離が56メートルと短く、舞台と観客の親密感を醸し出しています。ゼンハイザー・システムの導入作業は、本プロジェクトの狙いを念頭に置きつつ、通常のホール運営とイベント開催に支障をきたすことがないよう配慮しながら進められました。なお本システムには、EM 6000デジタルレシーバー×4、L 6000ネットワーク・ラックマウントチャージャー×2(SKM 6000用充電モジュール、SK 6212、SKM 6000バッテリーを含む)、AD 3700アクティブ指向性アンテナ×2で構成されたポータブルシステムも含まれます。
プロジェクトの焦点を問題解決にシフトさせたゼンハイザーチームは、スターPACのテクニカルチームが解決できずにいる点や課題を明らかにし、関係者への最良のサポート提供を目指すことにしました。真っ先に解決するべき大きな問題は、主催イベントの多様性と規模に関することでした。スターPACチームでは、シンガポール初のSK 6212ミニボディパックユーザーになることを決定。オーディオパートナーとしてゼンハイザーを選ぶプロセスに参画した音響部門統括者のリューベン・オング(Reuben Ong)氏は、次のように語っています。「Digital 6000システムの自動設定機能と相互変調のないテクノロジーのおかげで、オペレーターの自信が増し、制作の他の側面に注力できるようになりました。上演中のバッテリー交換機能も、一見大した機能ではなさそうですが、ワイヤレスシステムを操作する裏方にとっては大きなメリットになります。SK 6212ミニボディパックはとても気に入っています。軽くて目立たない上、10時間以上使えますから。そのあたりを踏まえて、私たちの要件を満たしてくれる、ゼンハイザーの堅牢なトランスミッターに投資することを決定しました」