テレムンド・グループ

プエルトリコ

プエルトリコで最も人気のTV放送局にゼンハイザーDigital 6000を導入

ゼンハイザーとAVLグループ(AVL Group)は高速かつ拡張性に優れたネットワークシステムを活用し、WKAQテレビジョン(WKAQ Television)の8つのスタジオと屋外制作エリアに最新のデジタルワイヤレスオーディオテクノロジーを導入しました。

テレムンド・グループ(Telemundo Group)の傘下にあるWKAQはプエルトリコ最大かつ最古のTV放送局です。このたび同局は、音響設備のアップグレードの次の段階に進むための基礎固めを行いました。具体的には、Danteを基盤としたゼンハイザーのDigital 6000ワイヤレスマイクロホンシステムを導入し、全社を網羅するネットワークアンテナを敷設しました。サンフアン拠点の機材プロバイダーであるAVLグループが計画策定、設置、および仲介業務を、ゼンハイザーがカスタムデザインをそれぞれ担当した新システムは、建物内の8つのスタジオと屋外制作エリアのすべてをシームレスにカバーする、ワイヤレスマイクロホンシステムです。

8つのスタジオに共通のオーディオネットワークを展開

今回のプロジェクトでは、ゼンハイザーの新たなオーディオネットワーク環境により、コントロールルームが制御できるスタジオ内のワイヤレスマイクロホンチャンネルの数に上限がなくなり、制作上の必要に応じてシステムを拡張
することが可能になりました。AVLグループのバイスプレジデントを務めるアレクサンダー・ロハス(Alexander Rojas)氏によれば、「オーディオルーティングの見直しを行った」結果だといいます。新しいネットワークアンテナシステムは、ゼンハイザーA 2003-UHFパッシブ指向性アンテナ×20、A 1031-Uパッシブ無指向性アンテナ×6で構成。建物の中央廊下に機材ラックを設置し、ASA 214アンテナスプリッター、ACA 3アンテナコンバイナー、およびAB 3700ブロードバンドアンテナブースターを用いて、分散アンテナシステムとワイヤレスマイクロホンレシーバーラックを相互接続しています。ゼンハイザーの米国地域カスタマーデベロップメント&アプリケーションエンジニアリングを担当するアンドリュー・コーンスタイン(Andrew Kornstein)は次のように述べています。「WKAQでは、第1スタジオから各通路、廊下、第8スタジオに至る全館について、完璧なブロードキャストクオリティでシステムをコントロールできる人材を求めていました。非常に複雑なプロジェクトでした。カタログ掲載製品を単に設置するのとはわけが違います」AVLグループでポストセールスエンジニアリング&コミッショニングチームを率いるフレディ・A・ロハス(Freddie A. Rojas)氏によると、同社が本プロジェクトのために敷設したケーブルは全長約2.4キロメートルに達したそうです。

AVLグループはさらに、ゼンハイザーEM 6000 Dante 2chデジタルレシーバー×22、SKM 6000ハンドヘルドマイク&MMD 945ダイナミックスーパーカーディオイドカプセル×14もWKAQに導入。番組に出演する女性タレント用にはMKE 1ミニチュアクリップオン型ラベリアマイクロホン×32、SK 6000ポケットトランスミッター×29、SK 6212ミニボディパックトランスミッター×3を採用しました。アレクサンダー・ロハス氏によると、すべての機材に充電池とゼンハイザーL 6000ラックマウントチャージャーを使用しているそうです。現在ではスタジオ、通路、ロビー、屋外エリアを含む全館をシームレスにカバーするゼンハイザーのシステムにより、「すべてのシステムがひとつのネットワーク上にあるので、マイクロホンを都度替える必要もありません」、とロハス氏も述べています。

第1~5スタジオは、毎週放送のコメディやゲームショー、エンタメニュース、政治ニュース分析といったWKAQのオリジナル番組の制作に使用。第8スタジオは毎日放映されるさまざまな昼/夜のニュースのほか、バラエティ、イン
タビューなどの制作に使用となっています。

屋外エリアへのアンテナ敷設

番組のなかには、敷地の公共エリアを使って制作するものもあります。アレクサンダー・ロハス氏によると、「ゲーム番組で広い通路を使うこともあれば、前庭を撮影舞台にしたり、駐車場を利用したりすることもある」とのことで、本プロジェクトの一環としてAVLグループは、建物裏手の駐車場にあらかじめ配線を行っています。ちなみにWKAQは本プロジェクト以前、ゼンハイザー2000シリーズのアナログワイヤレスシステムを標準装備していました。アレクサンダー・ロハス氏によると、「10~12年はゼンハイザー製品を利用」しており、そうした過去の投資を最大限に生かすため、既存の2000シリーズアンテナの一部は新しいアンテナシステムに統合しています。既存のEM
2050ツインアナログレシーバーも、ある番組司会者用にカスタマイズしたマイクロホン用に残しました。WKAQ-TVは1954年に、プエルトリコの実業家であるアンヘル・ラモス(Ángel Ramos)氏によって設立された放送局です。
ラモス氏はほかにも『エル・ムンド(El Mundo、世界の意味)』紙の発行や、同氏にとって初のラジオ放送局となるWKAQ(別名「ラジオ・エル・ムンド」)の経営などに携わっていたことから、TV放送局はテレムンドと名づけられました。ラモス氏は1983年にWKAQ-TVを売却。数年後の合併により、スペイン語放送のTVネットワークであるネットスパン(NetSpan)が新社名となりましたが、現在はリブランディングを経て、テレムンド・グループとしてビジネスを展開しています。

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