小会議室から広い宴会場まで。寥廓たるシェラトン・ドーハを支える中東最大規模のワイヤレス会議・通訳システム
ホテル内のミーティング・カンファレンス施設全体にワイヤレスオーディオソリューションを展開。対象は小会議室から広い宴会場まで合計22カ所。
対象施設にはゼンハイザー3000/5000 Seriesマイクロホンを120台と、ADN-Wワイヤレスデリゲートユニット400台、さらに通訳システム用としてゼンハイザーHDE-2020レシーバー4000台とSR2020トランスミッター21台を設置。
「シェラトン・ドーハは出費を惜しまず、これまで利用したシステムはどれも超一流でした」と話すのは、ドゥマー・グループのグループ企業Q2アドバンスト・テクノロジー・コントラクティングでオペレーション担当マネージャーを務めるエスバー・ナスルッラーフ氏です。同社はシェラトン・ドーハのリノベーションでAV部分をすべて担当しました。「可動性、可搬性、規模の観点から考えて、柔軟性を最大限発揮するために、ワイヤレスシステムを使用することが決まっていました。また、シェラトン・ドーハ側は、12の広いカンファレンスルームでお客様の要望に応じて、マイクロホンやレシーバーの追加や取り外しが楽にできるようになることを望んでいました」
相互変調や干渉を避けながら、UHF周波数帯に200以上のチャンネルを作るという難題に加え、チームはカタールの規制当局に対して、特定の周波数帯は使用しないということを理解してもらわなければなりませんでした。こうしたタスクの遂行には綿密な計画が不可欠であり、それにはゼンハイザーの相互変調周波数管理専用ソフトウェアSIFMも活用されました。このSIFMがあると、チームは周波数の幅を入力すれば、該当する建物の周波数分布計画の詳細情報を受け取ることができるようになります。チャンネルの周波数が重ならないので、シェラトン・ドーハでは相互変調や干渉を気にせずにトランスミッターを移動して、その可搬性を発揮することも可能です。ワイヤレスのセキュリティは必要条件が厳しいですが、ゼンハイザーが独自に開発した信号のエンコーディングと業界標準の128ビットAES暗号化を組み合わせて問題を解決しました。
プロジェクトでは、ゼンハイザー3000/5000 Seriesマイクロホン120台をノイマンKK-105カプセルと一緒に配置しました(この組み合わせは、世界の超有名ミュージックアーティストの多くが使用)。また、持ち運び可能な会議システムとしてADN-Wワイヤレスデリゲートユニット400台と、通訳システム用としてゼンハイザーHDE-2020レシーバー4000台とSR2020トランスミッター21台を設置しました。ゼンハイザーはこれまでもグローバルに展開してきましたが、今回のシェラトン・ドーハの事例は会議システムが世界第1位、通訳システムは第2位の規模を誇ります。
おそらく何よりも印象的なのは、Q2アドバンスト・テクノロジー・コントラクティングとゼンハイザー・ミドル・イーストが、わずか5カ月という短期間で、すべてのシステムの企画から供給、委託、試験まで終えられたことです。「専門家をドイツの本社から送り込み、プロジェクトの要求内容に見合うように生産規模を調整しました。納期が非常に厳しくても、決して品質で妥協せず、細かい点にも注意を払いました。設置に関して悪いフィードバックはもらっていませんし、助けを求められたり、設置の問題点を改善するよう求められたりもしていません。システムが毎日のようにあの有名な場所で使用されていることを考えると、この事実はシステムの品質と導入がすばらしいものであることを何よりも物語っていると思います」とゼンハイザー・ミドル・イーストでテクニカル・セールス・マネージャーを務めるライアン・バー氏は断言します。
ドゥマー・グループCEOのジーン・A・ドゥマー氏はこう話しています。「シェラトンでの取り組みが成功したのは、品質重視のマネジメントチームとその精神、さらに、パートナーであるゼンハイザーと、ベイルートのドゥマー本社、さらに、まとめ役としてオペレーション担当マネージャーのエスバー・ナスルッラーフ氏が率いるドーハの現場との緊密な協力の賜物です」