必要なのは、客席300席の講堂における高品質な聴覚支援システム。なおかつ、設置が簡単で、現在のインフラ環境を損なわない設備であること。
推奨したシステムはSennheiser MobileConnect。このソリューションはWi-Fi対応の聴覚支援システムで、徹底した柔軟性と簡単な設置が特徴です。コンセプトはBYOD(Bring Your Own Device、自分のデバイスを持ち込む)。既存のワイヤレス環境に組み込むことができます。
英国で継続的に医療教育を提供する大規模機関のひとつ英国王立医学会 (RSM)は、英国の保健において重要な役割を果たしています。ウィンポール街1番地の学会本部は、ロンドン中心部にあるトップクラスの会議場に数えられ、Sennheiser MobileConnect聴覚支援システムを設置した英国初の専門機関となりました。このシステムは、20万ポンドの整備改良プロジェクトの一環として、ガイ・ウィットル・オーディトリアム(Guy Whittle Auditorium)に設置されています。
RSMはこれまでも長い間ゼンハイザーのシステムを利用してきました。現在ではSpeechLineデジタルワイヤレスマイクロフォン会議システムや赤外線聴覚支援システム、LSP500ポータブルワイヤレスラウドスピーカーを導入しています。
MobileConnectは柔軟性が高い、「自分のデバイスを持ち込む(BYOD)」システムです。Wi-Fiでオーディオの性能が高まるアプリを利用し、聴覚障害者向けや通訳などのオーディオサービスが提供できます。そもそもRSMがMobileConnectに関心を持ったのは、300席あるガイ・ウィットル・オーディトリアムでは、磁気誘導ループシステムの設置に問題が生じたからです。
「RSMのほかのオーディトリアムでは、磁気誘導ループシステムを敷設していましたが、このホールは鉄骨で、カーペットをはがす計画もありませんでした。そこで、聴覚支援を提供できるほかの方法を模索していました」とウィンポール街1番地でAV責任者を務めるケビン・マクローリン氏は話します。
自身も聴覚に障害を抱えるマクローリン氏は、利用者のために考慮すべきほかの点にも気を配ります。「確かにオーディオ品質の優れたシステムは外せませんが、利用者が快適に使用できるのかも極めて重要です」と同氏。「ヘッドフォンや補聴用ステソセットを身につけていれば、聴覚に障害があることは一目瞭然です。人の目を引きますし、聴覚障害を持つ多くの人たちは当然避けたがります。それに、いつも使っているデバイスのほうが使い勝手がよいこともわかっています」
マクローリン氏はこうも話します。「ここはRSMですから、単に2010年平等法(Equality Act 2010)の遵守にとどまらない組織でありたい、さらに一歩先を行く組織であることを示したいと考えています。利用者が自分自身のデバイスを使えますので、他のシステムではまねできない快適な環境をすぐに体感できます」
MobileConnectのメリットはそれだけではありません。とても使いやすいアプリと、極めて柔軟なシステムもその特徴です。
「4チャンネルから選択可能で、とても直感的に使えるパーソナルな聴覚支援システムで、一人ひとりのニーズに合わせてオーディオを調整できます」とマクローリン氏。「このシステムが好ましい理由は数多くありますが、いろいろなことに利用可能なのも理由のひとつです。最近のイベントでは、ライブストリーミングでフランス語通訳を提供したのですが、その内容をこのホールにも中継しました。つまり、フランス語を使う参加者は、Wi-Fi経由で、別のオーディオチャンネルを使用して母国語で情報を聞くことができたのです」
設置はロンドン郊外セント・オールバンズのフェルテックAV社が担当、作業は手間をかけず迅速に進みました。「私たちがしなければならなかったのは、既存のBiamp Tesira DSPから4チャンネルを用意し、ワイヤレスアクセスポイントを設定することだけでした。ほかにも大きなメリットがあります。それは、利用者側がMobileConnectブラウザインターフェース経由でワイヤレスアクセスポイントの信号強度もチャンネルも選べることです。それも、マスターするのに数分とかかりません」とマクローリン氏は話します。
さらに魅力的なのは、これからのMobileConnectに関してゼンハイザーが明確なロードマップを用意している点です。このテクノロジーの開発に伴い、ゼンハイザーはさらに今後も、ユーザーに役立つサービスを提供していきます。
「RSMがMobileConnectと出会った当初、このシステムはクローズドでした。しかし、最近のアップグレードで、現在ではいろいろなシステムを統合することができるようになっています。MobileConnectが既存のWi-Fiネットワークを利用できるのもその一例です」。そう話すのはゼンハイザーUKのニック・ペンバートンです。「つまり、お使いのデバイスがすでに屋内Wi-Fiを利用しているのなら、MobileConnectを受信するためだけに新たなWi-Fiネットワークに接続する必要はないということです。たとえばユーザーは、Wi-Fi上で幅広く用意されているであろうソースから、聴覚支援システムや、テレビ・オーディオを視聴するフィードを切り替えることができます」
このサービスはあらゆる場所で利用できる可能性があり、その点もマクローリン氏は高く評価しています。ウィンポール街1番地の建物全体にMobileConnectが今後導入されれば、RSMはそのメリットを十分に実感することになります。
「共有スペースのデジタルサイネージでは、一部で1日24時間BBCニュースを流しています。もちろん、大勢の人がいるところで音声を流したくないので、画面に字幕をつけています」とマクローリン氏。「それにMobileConnectのチャンネルをひとつ追加すれば、たまたま時間のあいた人や画面を見ている人が、自分のモバイルデバイスで音声も聞けるようになります。これも、このシステムがあらゆるユーザーに役立つメリットのひとつで、耳が不自由な人もそうでない人も利用できます」
「RSMでは現在、王立全国聴覚障害者協会(RNID)と連携し、 「Louder Than Words」(言葉より雄弁)認定の取得を目指しています」とマクローリン氏は話します。「RNIDはMobileConnectにとても感心していました。というのも、こうした環境ではこれまで体験したことのないシステムだからです。個人的には、認定に向けて、ちょっとしたボーナスポイントになったと感じています。また、2016年のイベント・テクノロジー・アウォードで、最も革新的でITフレンドリーな会場に選ばれたことも追い風になったはずです」
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