大規模イベント、カンファレンス、講演など……
クリスティアン・アルブレヒト大学キール(キール大学)のAV担当者が探していたのは、ある講堂から別の講堂に音声信号を送信するシステム。新たなシステム導入で、聴覚障害のある学生や来校者が抱える問題を取り除きたいとも考えていました。
キール大学が選んだのはゼンハイザーのMobileConnectシステム。既存のWi-Fiとの統合が簡単。さらに、学生が自分のモバイルデバイスで利用できるアプリも搭載されているので、ヘッドフォンや補聴器、人工内耳で、音声信号の受信が可能に。
2015年、キールのクリスティアン・アルブレヒト大学(キール大学)はドイツ大学学長会議を主催しましたが、この大がかりなイベントで、主催者側と計画チームは大いに頭を抱えることになりました。イベントテクノロジーのスペシャリストであるシュテファン・パエト氏は当時をこう振り返ります。「講堂1カ所では狭すぎることが判明しました。急遽、音声信号を隣の講義室にスムーズに送ることが可能なシステムが必要になったのです」。そこで、アドバイスを求めたのがメディア企業のビザコン社(vizacon)です。同社は長年にわたり、キール大学のイベント・施設管理チームに協力してきました。当時キール大学では、聴覚に障害のある学生や来校者にも使いやすい環境を構築するという長期目標を設定していましたが、その目標を考慮したうえで、複数の講堂を刷新する計画の一環として専門家が勧めたのが、ゼンハイザーのMobileConnectシステムの導入だったのです。
… 誰もがスムーズかつ自由に音声の送受信を利用できる
ConnectStationが2カ所で手早く設置され、キャンパス全体で使用されているオープンWi-Fiに統合されました。これで、最大200人のユーザーが同時にパスワードを使わずシステムにアクセスできます。簡単にダウンロード可能な無料アプリを使うと、誰でも講演者の声を自分のモバイルデバイスで受信できるようになり、補聴器やヘッドフォン、人工内耳で聴くことができます。アプリは、アンドロイドでもiOSでも利用可能。パエト氏はこのときの体験を熱く語ってくれました。「建築家、技術者、施設責任者――私たちは誰もがこのアプリには驚かされました。とてもシンプルで直感的に使えます。そのうえ、誰でも自分のニーズにあわせて音を完璧に調整できるのですから!」
ほかの講堂もすべてMobileConnectに
MobileConnectの導入成功をうけて、キール大学は別の校舎オーディマックス(Audimax)にもMobileConnectステーション2台の設置をMedia in Motion社に委託しました。オーディマックスには講義室が9室あり、総座席数は2000におよびます。パエト氏は、このシステムのおかげで、聴覚に障害のある学生がどれほど楽に講義についていけるようになっているのかを力説しています。「以前、こうした障害のある学生は、講義室の最前列、ラウドスピーカーのそばに座らなければなりませんでした。なかには、読唇術に頼らざるを得ない学生もいました。それが今では、音声送受信システムがうまく機能しているおかげで、もらさず理解できます。講堂で開催される大学以外のイベントにも、いつもMobileConnectの使用を勧めています。ドイツ自然保護会議もその一例で、運営側は、イベント参加者にこのシステムのメリットをおおいに宣伝しています。
ゼンハイザー製品の利用をはじめてもう何年……
パエト氏のチームにとって、ゼンハイザーの製品は学生のキャンパスライフに欠かせないアイテムです。「ゼンハイザーのマイクはもう何年も使用しています。講義室の演台にはグースネックマイクが設置されていますし、100シリーズと300シリーズのワイヤレスシステムも、ハンドヘルドマイクやヘッドセット、クリップオンマイクを組み合わせて、いくつか違うものを使用しています。その品質の高さには、使うたびに驚かされます」。キール大学は最近、そのほかにもメリットがあることを知りました。新規購入分で、ライセンス不要の新たな1.9 GHz Speechlineシリーズに切り替えたところ、周波数ライセンス料分の金額を支払わずにすみ、経費節約を実現しています。
… その結果、これからもキャンパスに増え続けるゼンハイザー製品
現在、キール大学のキャンパスでは3つの大規模な新築工事が行われています。新しい施設では、技術者からもプランナーからもMobileConnectの導入が強く求められています。シュテファン・パエト氏も間違いなく大ファンのひとりです。「同じようなニーズのある他の施設にもMobileConnectを強くお勧めします。快適で申し分ありません」