ゼンハイザーのSLDWマイクロホンへとアップグレードしたアルゼンチン上院
アルゼンチン上院の公式テレビチャンネル(SENADO TV)では、UHF帯でワイヤレスマイクロホンを使用していたため、干渉が発生することがありました。ときには音声信号が数秒間も遮断されることがあり、対処が必要な許容できない問題となっていました。
1.9GHz帯で動作するゼンハイザーのSpeechLine Digital Wireless(SLDW)システムを新たに導入したことで、干渉は起こらなくなりました。現在、送信される情報は競合する信号に対してコード化されており、イベントがスムーズに実行されるようになりました。
ヒューゴ・ボリア、最高オーディオ責任者 / アリエル・クラベロ、オーディオビジュアル通信担当副ディレクター
-SENADO TV ARGENTINAは、記者会見や委員会会議、公聴会、上院の様子を放送するチャンネルです。同チャンネルでは、すでにゼンハイザーの製品を使用していました。そしてこれらの製品は、たとえ音響環境が劣悪であってもほとんどの場合において十分に機能していました。同チャンネルで技術者を務めるヒューゴ・ボリア(Hugo Boria)氏とアリエル・クラベロ(Ariel Cravero)氏は「多くの法的な機関と同様に、我々も20世紀初頭から同じ建物を利用しています」と語ります。「そのため、建物が構造として非常に広く、大理石が多く用いられています。そんな中でワイヤレスのオーディオ機器を使用するのです」。
干渉の問題に対する最適な解決策を模索
ですが、オーディオ専門家の両名は、こういった建物の構造がSLDWシリーズの導入の主な要因ではなかったと語ります。「我々にとって問題は、政治的に重要な発表や記者会見で国中のメディアやジャーナリストが一同に集まったときに起こりました」。ジャーナリスト達もまた、ゼンハイザーの製品を利用している場合が多かったのです。同じ帯域幅を複数のシステムが同時に利用すると、干渉の問題が発生しやすくなり、場合によっては音声信号が完全に歪んでしまうこともありました。ボリア氏とクラベロ氏は「我々にとってこれは許容できない問題でした」と振り返ります。
2人がアルゼンチンにおけるゼンハイザーの正規代理店であるARS社に相談したところ、同社は干渉問題の解決策としてSpeechLine Digital Wirelessの導入を提案しました。同シリーズはこの種の問題に対処するために開発・設計された革新的なシステムで、通常のUHF帯域幅は利用せず、DECT技術を搭載しています。そのため、同一ブランドや同じタイプのシステムを複数、同じ環境下で使用する場合に飽和状態になりがちな標準周波数に依存しないという特徴を持っています。この新システムは即座にその効果を発揮しました。ボリア氏とクラベロ氏は、「伝送に関わる問題や干渉がすべて解消されました」と振り返ります。
堅牢でワイヤレスなマイクロホン
アルゼンチン上院の様子は、毎日全国放送されています。安全で信頼性が高く、干渉の発生しないワイヤレスマイクロホンは必須であり、ゼンハイザーのSLDWはこれらの要件をすべて満たしています。そして同時に重要になるのが、プログラムの変更にすぐに対応できること、そして使いやすいことです。ボリア氏とクラベロ氏は、こういったすべての面について満足しています。「我々が新たに導入したゼンハイザーのSLDWシリーズは、視聴者に非常に良い印象を与えるモダンなデザインに加え、非常によく練り込まれたプロ仕様のオーディオシステムの利点をすべて兼ね備えています」。
さまざまな放送条件で利用可能
SENADO TV ARGENTINAは、SLDWを14システム導入し、そのうちの8システムをニュース番組等のテレビ用のヘッドセットとして、残りの6システムをハンドヘルド型マイクロホンと組み合わせて生中継や委員会会議、記者会見で使用しています。ボリア氏とクラベロ氏は、全員がこの新ソリューションに満足していることを確認しています。「ユーザーや技術者は、操作しやすく、スムーズに機能するSLDWを評価しています。テレビはストレスの多い環境であり、ワイヤレスマイクロホンが常にきちんと動作すると確信を持てることは、誰にとっても本当の安心感につながります」。